結晶の成長は温度に非常に敏感です。フィルムの端にある細孔が生ずる原因は金の蒸着中に生ずる熱環境が中央部と端部とで違いが生じるためと考えられます。 蒸着膜の中央では、熱が全ての方向に同じように流れるため、温度は全ての方向で均一ですが、端部では熱条件は中央部とは違います。また周辺部では近くにマスクが存在するため、ターゲットからの金の分子の付着が阻害される事も考えられます。つまり中央部では金の薄膜は予定通りの厚さになりますが、周辺部ではこれより薄くなる傾向にあります。このため周辺部では、均一の膜になる手前の状態、すなわち細孔が存在する状態で、蒸着作業終了となります。

この細孔は周辺部のみで、少し内方向へ行くと、細孔は出来ておらす、広い面積で平らになっています。計測に必要な面積は十分広いので、使用に当たっては問題有りません。

尚
この穴の存在は蒸着膜の端が黒っぽく見えるのとは関係ありません。