Phasis社ではAU(111)/雲母製品の表面が実際に(111)面を有しているかをX線分析で確認しています。
下のグラフをご覧下さい。
これは厚み70nmの代表的な金試料に対して行われたもので、θ-2θX線分析(Cu Kα放射、λ=1.5406Å)を使い計測したものです。2.36Åのc-軸格子定数を有する純粋な(111)が成長している事を示しています。
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(111)反射の周りのこれらの振動の発生は、試料の高度の結晶性を示し、同時に膜の厚さを正確に制御出来る事を意味しています。
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AFMで得られたAU(111)の表面3D画像
(横軸目盛:1.1X1.1μm、Z方向目盛:3nm)
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下の2枚の画像はAFM(ex-situで測定)で得られたものです。
Aは2μm x 2μmでZ方向の目盛りは5nmです。金の表面には数100nmに及ぶ大きな分子レベルで平らなテラスが見られます。
画像Bは製造から2ヶ月後のSTM画像(0.5μm X 0.5μm)です。Z目盛りは3nmです。メーカー支給のケース内に保管されておれば2ヶ月後であっても金の表面は0.5μmの長さにわたり分子レベルでも平らであることがお判ります。
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金の薄膜は劈開したばかりのクラスV-4以上の白雲母上に蒸着されています。雲母の厚は調整されていませんが、80~130μm程度です。
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仕様 |
白雲母の構造 |
KAl2(AlSi3O10)(F,OH)2 |
Auの代表的な厚さ |
200 nm |
Auセル |
面心立方格子(fcc), (111) |
cAu111/aAu111パラメータ |
2.36Å、2.88Å |
雲母の厚さ |
80~130μm |
基盤と寸法 |
基板 |
高度に劈開された雲母シート |
金のカバー面積 |
各種用意 |
マスコバイト白雲母の構造 |
KAl2(AlSi3O10)(F,OH)2 |
金がカバーする面積 |
20x20mm2、4x10x10mm2
8x4x8mm2、16x4x4mm2 |
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金の膜の大きさ、形状、個数、配置は下の価格表をご覧下さい。
薄膜は蒸着後直ちに容器に入れられ窒素パージされます。このため容器に保存されていれば、3~4ヶ月間は金表面の変質無くお使いいただけます。
もし、金の表面に水蒸気が付着すると表面が荒れます。この場合は水素炎アニーリングを行ってください。
水素炎アニーリングの方法はこちらをご覧下さい。
ご注意
金の表面を単に空気中に露出するだけで、表面に有機炭素系単分子層が形成され、疎水性を示します。親水性にするにはご使用の前に金の洗浄をお勧めします。
洗浄に関してはこちらの文献をご参考にしてください。
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AU(111)の使用例 |
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●自己組織化単層膜の応用例の文献はこちらまたはこちら
●SPM等の較正に AU単位胞の高さが2.36Åであることを利用して
●教育用SPMの研修に
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